コスプレ衣装を作るとき、生地、ボタン、ファスナー選びについてはあまり困らないですよね。
しかし、ミシン糸についてはどれも同じに見えてしまい、「どれを使えばいいの？」状態ではないでしょうか。
そこで今回、ミシン糸にはどのような種類があり、どのように使うべきなのかを解説。
アパレル業界人による解説のため、かなり具体的な内容になっています。
この記事を読んで、ミシン糸に関する悩みを一発解決しましょう！
コスプレ衣装に必要なミシン糸
コスプレ衣装に必要になるミシン糸ですが、用途によって変わります。
そのため、どのような場面で使うミシン糸なのかをまず解説。
その後に、オススメ商品を紹介していきます。
王道のスパン糸
まず最初に紹介するのは、ミシン糸のなかでも最も使用率の高いスパン糸です。
スパン糸とは、少しふんわりした糸であり、ケバ立っているのが特徴です。
スパン糸が選ばれる理由
スパン糸は、個人から職人まで幅広く使用されていますが、それにはもちろん理由があります。
ずばり、ミシンの調子をちょっと雑にセッティングしても問題なく縫えるからです。
要するに、スパン糸はミシン糸のなかで最も縫いやすいわけです。
スパン糸の使用例
スパン糸は、この用途でしか使えないということはありません。
どのような場合にも、万能的に使える優れものです。
糸選びに迷ったら、とりあえずスパン糸を購入しておけば問題は起こりません。
スパン糸の代表格
スパン糸のなかでも、１番有名なものはフジックス社のシャッペスパンでしょう。
シャッペスパンは服飾学校でも必ず使用を勧められるほど、使いやすいです。
具体的にどう使いやすいのかというと、次のとおりです。
・フジックス社の独自技術により生み出されるケバにより、滑らかに縫える
・色数が２００色以上あるため、欲しい色はだいたい揃う
・番手（太さ）も９０番、６０番、３０番と３タイプ存在
スパン糸を購入する際は、シャッペスパンを購入しましょう。
光沢感のあるフィラメント糸
絹糸を模して、化学繊維で作られたのがフィラメント糸です。
フィラメント糸はツヤツヤとした光沢感があるのが特徴。
余談ですが、アパレル業界的にはフィラメントではなくテトロンと呼ぶことのほうが多いです。
フィラメント糸が必要になる場面
フィラメント糸は光沢感があるため、アパレル業界ではスーツ、ドレスなどで頻繁に使用されます。
そのため、コスプレにおいてもスーツ・ドレス系の衣装を作るときはフィラメント糸を使用しましょう。
フィラメント糸を使用する際の注意点
スパン糸を使用するのと同じ感覚で、フィラメント糸を使うと糸切れ等のトラブルを招く可能性があります。
使用前に、ミシンのセッティングを見直し、必ず試し縫いをするようにしましょう。
フィラメント糸の代表格
家庭糸においては、フィラメント糸あまり一般的ではありません。
家庭用ミシン糸で有名なフィラメント糸となると、ファインになります。
・ただし、ファインは番手（＝太さ）が５０番しかないため、厚地への対応は難しい
・薄地であれば、５０番でも縫えないことはない
伸縮性バツグンのストレッチ糸
ストレッチ糸とは、伸縮性があり身体の動きに追随する糸のことです。
そのため、スポーツアパレルや作業用ユニフォームなどで頻繁に使われています。
また、ストレッチ糸はナイロンを原料としていることがほとんどです。
ナイロンは下着において多用される素材のため、当然ながら肌触りもバツグン。
つまり、ストレッチ糸は、伸縮性があり肌触りも良いミシン糸ということになります。
ストレッチ糸が必要になる場面
動きやすさ・着心地を求める場合に、ストレッチ生地とあわせて使用されるケースがほとんどです。
大事なところなので繰り返しますが、普通の生地にあわせてストレッチ糸を使っても意味がありません。
生地にも伸縮性があることにより、初めてストレッチ糸の機能を活かすことができます。
ストレッチ糸の代表格
ストレッチ糸で有名なものは、レジロンになります。
・番手は５０番のみ
・８００mのやや長巻がある（こちらは９色のみ）
・家庭用ミシン糸でストレッチ糸はレジロンか、エッフェルかの二択
ふんわり感のあるウーリー糸
ウーリー糸とは、羊毛を模したフワフワな糸のことをいいます。
使用用途はやや限定的であり、縁かがり縫い・ロック縫いでの使用が基本となります。
コスプレ衣装の袖・裾などをふわっとした雰囲気にしたいのであれば、使用を検討してみてください。
代表的な商品としては、ウーリーロックです。
・ラインナップは高伸縮タイプ（よく伸びる糸）のみ（番手表記はされていない）
ミシン糸の購入で迷ったら
ここまで色々なミシン糸を紹介してきました。
しかし、あなたが作ろうとしているコスプレに最適なミシン糸が何か分からないということもあると思います。
当サイトではミシン糸選びのサポートをしていますので、お困りの際はお気軽にお問合せください。
趣味の延長としてやっていることのため、０円で引き受けます。料金いただきません。
この記事のまとめ
最後に、この記事の内容をまとめていきます。
・スパン糸がもっとも万能なミシン糸のため、困ったときはスパン糸を使用
・スーツやドレスのような光沢感が求められる衣装ではフィラメント糸を使用
・動きやすく着心地の良いものを作りたいならストレッチ糸を使用
・裾や袖などにふんわり感をもたせたいならウーリー糸を使用
以上になります。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。