ミシン糸の太さは「cm」や「mm」ではなく“番手”と呼ばれるもので表記されます。
すると、自分が縫いたいものはどれくらいの太さ(番手)が必要なのかは初心者では検討がつきません。
そこで今回、アパレル関連会社に在籍していた筆者がミシン糸について詳しく解説していきます。
ミシン糸の太さの種類、確認方法、使用方法まで説明しているので、ぜひ参考にしてください。
ミシン糸の太さは番手で表記される
まず最初に、ミシン糸の太さは番手(=ばんて)で表記されるということを知っておきましょう。
「cm」や「mm」で表記してくれたら分かりやすいのですが、業界的には「番手」が一般的。
そのため、たとえば、ミシン糸の太さは90番手のように表記されるということになります。
さて、ミシン糸は番手で太さをあらわすということは理解していただいたかと思います。
しかし、番手にはまだ知っておかなければいけないことがあります。それが次になります。
番手は、数字が大きくなればなるほど細いことを意味し、小さくなればなるほど太いことを意味する。
ためしに、90番手と60番手を比較してみましょう。
この場合、90番手のほうが細く、60番手のほうが太いということになります。
ややこしいので、ここまでの内容を一度整理しておきましょう。
・ミシン糸の太さは番手であらわす
・番手は、数字が大きいほど細いことを意味し、小さいほど太いことを意味する
種類
ミシン糸の番手(=太さ)の種類としては、次のようなものが一般的です。
・90番手
・60番手
・50番手
・30番手
・8番手
(※数字が大きいほど細く、小さいほど太い)
手芸などで使用される家庭用ミシン糸の場合は、以上の番手を使うことがほとんどでしょう。
衣料品縫製などで使用される工業用ミシン糸の場合には、さらに種類が増えます。
・120番手
・100番手
・90番手
・80番手
・60番手
・50番手
・40番手
・30番手
・20番手
・10番手
・8番手
・5番手
・4番手
・0番手
これだけ種類があると頭が混乱してしまうので、次のポイントだけを抑えておきましょう。
・ミシン糸は90番手、60番手、30番手の3つの太さを覚えておく
・90番手は細タイプ、60番手は普通タイプ、30番手は太タイプと理解しておく
上記のように覚えておけば、ひとまず問題ありません。
確認方法
では、ミシン糸の番手(=太さ)をどこで確認できるのかの説明に入りましょう。
ミシン糸には、上部(または下部)に必ずラベルが貼り付けてあります。
そのラベル部分に「#60」のような形で番手が表記されています。
注意すべきなのは、「60番手」と表記されるのではなく「#60」のように表記されるという点です。
ためしに、写真で確認してみましょう。
(出典元:https://item.fril.jp/fbbe163a97fd95e77605324726d4dddb)
こちらの写真は、フジックス社のシャッペスパンになります。
左側のミシン糸に注目してください。ラベル上に、「#60」と記載されているのが確認できますね。
この「#60」は、「60番手」を意味しています。
基本的にはどこのメーカーも「#60」のように番手を「#」で表記しています。
例外的に、「#」は記載せずに「60」と数字のみ表記することもあります。
ここまでの内容を整理しておきましょう。
・番手は、ミシン糸に貼り付けてあるラベル上に記載されている
・ラベル上では「#60」のように「#」を用いて番手を表記している
・例外的に「60」のように数字のみで番手を表記している会社もある
ミシン糸の番手別・使用方法
それでは、各番手がどのような用途で使うことができるのかを説明していきます。
今回は、代表的な90、60、50、30番手のみ説明します。
より詳しく知りたい方は、全番手の使用用途をまとめたファイルをお渡ししますのでお問合せください。
【90番手】
オーガンジーのような薄地を縫うときに使用される。
ロック縫いで使われることが多い。
【60番手&50番手】
タオルやリネンなどの普通地を縫うときに使用される。
生地がやや薄めであれば60番、やや厚めであれば50番を使用。
【30番】
デニムや帆布のような厚地を縫うときに使用される。
以上になります。
この記事のまとめ
それでは、最後にこの記事の内容をまとめていきます。
・ミシン糸の太さは番手で表記される
・番手は数字が大きくなればなるほど細いことを意味する
・番手は数字が小さくなればなるほど太いことを意味する
・ミシン糸のラベルに「#60」のように「#」で番手は表記することが多い
・90番手は薄地、60&50番手は普通地、30番手は厚地に使用される
以上になります。
縫製をするとき、どのようなミシン糸を使えば良いのか分からないという方はお気軽にお問合せください。
また、その他のご相談もお受けいたします。
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。